大家業を長年やっていると、本当に様々な出来事があります。
今回は、チャタテムシが大量発生したことをきっかけに、退去時の違約金や退去費用の免除を求められた出来事について書きます。
「小さい虫が大量に出ているので何とかしてほしい」
ある日、店子さんから、
「小さい虫が大量に出ているので何とかしてほしい」
と連絡がありました。
写真を送ってもらったところ、写っていたのはチャタテムシでした。
チャタテムシは珍しい虫ではない
チャタテムシは、人が不衛生だから発生する虫ではありません。
湿気が多い場所やカビを好み、住宅では比較的よく見られる虫です。
また、
- 宅配便の段ボールなどに付着して室内へ持ち込まれることがある
- 新築住宅だと、建材に残った湿気などが原因で発生することがよくある
- 高層マンションでも発生することがある
など、住居の種類に関係なく発生する可能性があります。
今回の部屋も、入居直後ではなく入居から約1年経過してからの連絡でした。
そのため、入居時から建物に重大な問題があったという状況ではありませんでした。
大家としてできる対応は行った
チャタテムシは大家が持ち込んだ虫ではありません。
だからといって、「大家には関係ありません」と突き放すつもりもありませんでした。
そこでホームセンターで殺虫剤などを購入して頂き、まずは駆除を試していただくようお願いしました。
その後、退去したいとの申し出
しばらくして、
「退去したい」
との連絡がありました。
退去自体は仕方ありません。
しかし、その際に、
- 違約金を免除してほしい
- 退去費用も免除してほしい
という要望がありました。
虫が出たことだけで契約内容が変わるわけではない
虫が大量に発生すれば、不快に感じる気持ちはよく分かります。
しかし、チャタテムシは住宅では比較的よく見られる虫であり、その発生だけを理由に契約上の違約金や退去時の費用負担が当然に免除されるわけではありません。
もちろん、建物に重大な欠陥があり、それが原因で通常どおり生活できないようなケースや、大家が修繕義務を果たしていないようなケースであれば話は別です。
ただ、今回のケースではそのような事情には当たらないと判断し、契約どおりのご負担をお願いしました。
大家業の難しさを感じた出来事
退去時には、店子さんもどこか納得していない様子でした。
私自身も気持ちの良い出来事ではありませんでした。
しかし、もし「虫が出た」という理由だけで毎回違約金や退去費用を免除していたら、大家業は成り立ちません。
大家として誠実に対応することはもちろん大切です。
一方で、契約で決めた内容まで感情だけで変更してしまうと、他の入居者との公平性も保てなくなります。
大家業は、「入居者への配慮」と「契約を守ること」のバランスがとても難しい仕事だと、改めて感じた出来事でした。
まとめ
チャタテムシは決して珍しい虫ではなく、湿気やカビなどの条件がそろえば、どの住宅でも発生する可能性があります。
そのため、発生したからといって直ちに大家の責任になるとは限りません。
もちろん、建物の欠陥や修繕義務違反などが原因であれば大家として適切な対応が必要ですが、個々の状況や契約内容によって判断は異なります。
今回の出来事を通じて、私は「誠実に対応すること」と「契約を公平に運用すること」の両方が、大家業では欠かせないと改めて実感しました。
同じような立場の大家さんの参考になれば幸いです。

