『アバランチ』を見た感想|正義とは何なのかを考えさせられるドラマ

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総合評価:5.0
放送年月:2021年10月
ジャンル:サスペンス・アクション
出演  :綾野剛、福士蒼汰、千葉雄大、高橋メアリージュン、田中要次、利重剛、山中崇、堀田茜、渡部篤郎、木村佳乃 ほか

カンテレ・フジテレビ系で2021年10月から12月まで放送されたドラマ『アバランチ』を見ました。

全10話の作品で、政治家や官僚、大企業などの「強者」が絡む事件に、謎の集団「アバランチ」が立ち向かっていく物語です。

最初は「ちょっと変わった刑事ドラマ」という印象

最初に見たときは、普通の刑事ドラマとはかなり違うなという印象でした。

アバランチのメンバーは、警察組織の正式な捜査員というわけではありません。

それなのに、警察が動けないような事件に自分たちで乗り込んでいく。

しかも、法律や組織のルールに必ずしも従うわけではありません。

そのため、見ている側としては、

「そこまでやっていいのか?」

と思う場面もあります。

しかし、それと同時に、

「警察や法律だけでは裁けない悪を、誰かが裁く必要があるのでは?」

とも思ってしまう。

この微妙なところが『アバランチ』の面白さだと思います。

「正義の味方」なのに、完全なヒーローではない

アバランチは、いわゆる正義のヒーロー集団です。

しかし、完全な正義の味方として描かれているわけではありません。

むしろ、

「正義のためなら、どこまで許されるのか」

という問題を突きつけてきます。

悪いことをしている人間を暴く。

権力を利用して逃げようとする人間を追い詰める。

それ自体は正しいように見えます。

でも、そのために法律を無視したり、相手を脅したり、場合によっては命まで危険にさらしたりする。

そう考えると、アバランチ自身も決して「正義そのもの」ではありません。

このあたりが単純な勧善懲悪ドラマとは違うところです。

綾野剛の羽生がとにかくカッコいい

個人的には、やはり綾野剛さん演じる羽生誠一が一番印象に残りました。

普段は飄々としていて、何を考えているのか分からない。

ところが事件が起きると、突然スイッチが入る。

そのギャップが非常に良いです。

アクションシーンも多く、羽生の戦闘能力の高さも見どころ。

ただ強いだけではなく、どこか悲しさや過去を背負っている感じがあるところも、キャラクターとして魅力的でした。

福士蒼汰演じる西城の存在も良かった

もう一人重要なのが、福士蒼汰さん演じる西城英輔です。

最初からアバランチ側の人間というわけではなく、警察官としての立場から彼らを見ることになります。

そのため、視聴者も西城を通してアバランチを見ているような感覚があります。

「本当にこいつらは正しいのか?」

という疑問を持ちながら、少しずつアバランチの考え方を理解していく。

この構造がうまくできていたと思います。

後半になると一気にスケールが大きくなる

前半は一つ一つの事件を解決していくような展開ですが、途中から物語のスケールが一気に大きくなります。

アバランチが単なる事件解決集団ではなく、もっと大きな権力や陰謀と戦っていることが分かってきます。

第5話で「アバランチ誕生秘話」が描かれ、第6話から第二部に入る構成になっており、後半はかなり緊張感が増していきます。

個人的には、この後半の展開はかなり面白かったです。

「この先どうなるんだ?」

という感じで、一気に見てしまいました。

現実の日本でもありそうなのが怖い

このドラマで一番考えさせられたのはここです。

政治家、官僚、大企業、警察など、巨大な組織が登場します。

もちろんドラマなので、かなり誇張されています。

しかし、

「権力を持っている人間が、普通の人間より圧倒的に有利になる」

という構図自体は、現実社会でも完全に存在しないとは言えません。

だからこそ、

「もし本当に巨大な権力によって悪事が隠蔽されていたら、誰がそれを暴くのか?」

という問題が、このドラマを見ていて頭に残りました。

「アバランチ」という名前も面白い

アバランチ(Avalanche)は英語で「雪崩」という意味です。

最初は小さな雪の塊でも、動き始めると次第に大きくなり、最後には巨大な雪崩になる。

つまり、一人一人の力は小さくても、集まれば巨大な権力をも動かせる。

そんな意味が込められているのだと思います。

ドラマのタイトルとしても非常に分かりやすく、カッコいい名前だと思いました。

ただし、少し都合が良すぎる部分もある

一方で、すべてが完璧というわけではありません。

アバランチのメンバーが強すぎたり、情報収集能力が高すぎたりして、

「さすがにこんなに上手くいくかな?」

と思う場面もあります。

また、物語が大きくなるにつれて、やや話が複雑になっていく部分もあります。

現実的な警察ドラマとして見るよりも、

「現代社会を舞台にしたエンターテインメント作品」

として見るほうが楽しめると思います。

まとめ

『アバランチ』は、単純に悪い奴を倒すだけのドラマではありません。

むしろ、

「正義とは何なのか」

を考えさせられる作品でした。

法律を守ることが正義なのか。

法律では裁けない悪を暴くことが正義なのか。

権力に立ち向かうためなら、多少ルールを破ることは許されるのか。

こうした問題には、簡単な答えはありません。

だからこそ面白い。

そして、綾野剛さん演じる羽生の存在感と、スタイリッシュな映像、アクションシーンも相まって、かなり見応えのあるドラマでした。

「正義の味方が、必ずしも正義とは限らない」

そんなところが、このドラマの一番面白いところだったと思います。

サスペンスやアクション系のドラマが好きな人なら、楽しめる作品だと思います。

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